アンケートと利用実績の整理により、時間帯別ニーズの把握へ (不動産賃貸・管理業、サービス業の例)

県内企業におけるデータ活用の取り組み例
県内のある不動産賃貸・管理業、サービス業の企業では、商業施設内の飲食エリアの活性化に向けて、利用者の動向把握に取り組みました。施設は多くの人が行き交う立地にある一方で、単に来店人数を見るだけでは、昼と夜で異なる利用目的やニーズを十分に捉えきれないという課題がありました。
そこで今回の取り組みでは、開業後に取得したアンケートや利用実績をもとに、時間帯ごとの利用傾向を整理し、今後の運営改善や誘客施策に活かせる形で見える化を進めました。
取り組みの概要
来店者数の多寡だけでなく、昼と夜でどのような利用シーンが生まれているのかを把握することを主眼としました。
具体的には、昼は周辺就業者や買い回り客によるランチ・カフェ需要、夜は会食や滞在を伴うディナー・バー需要として整理し、それぞれの時間帯で確認すべき観点を設定しました。加えて、アンケートや利用実績をもとに、認知経路、初回来店比率、利用シーン、再来店意向などを確認しながら、昼夜それぞれの強みと課題を把握できるようにしました。
こうした整理を通じて、現場感覚に頼るだけでなく、利用者の声と実績データをあわせて見ながら、運営の方向性を検討できる基盤づくりを進めました。
データ活用によって見えてきたこと
アンケート結果を見ると、認知経路は「通りすがり」や「知人からの紹介」が中心となっており、まずは立地を生かした新規流入の強さが確認されました。また、回答者の約6割が初回来店者であり、その多くがランチ利用であったことから、昼は新規来店や気軽な利用ニーズが強い時間帯であることがうかがえました。
一方で、複数回来店している利用者層では、コース利用や長めの滞在を伴う利用が増える傾向が見られ、夜は再来店や滞在型の利用価値を高めていく余地があることが分かりました。さらに、「また来たい」と感じた理由としては、店内の雰囲気や空間、清潔感に対する評価が高く、接客面も好意的に受け止められていました。
その一方で、注文方法や初回来店時の案内には改善余地も見られました。こうした結果から、昼は入りやすさや分かりやすさ、夜は滞在価値や再来店したくなる体験づくりを意識した運営改善が有効であることが示唆されました。

画像:アンケートイメージ
今後に向けて
今回の取り組みによって、飲食エリアの活性化を考えるうえでは、単に来店者数を追うだけでなく、時間帯ごとの利用目的や来店導線を整理して捉えることの重要性が明らかになりました。
今後は、今回整理した指標を継続的に確認しながら、昼は初回来店者が利用しやすい導線づくり、夜は滞在満足度や再来店意向を高める施策の検討へつなげていくことが期待されます。また、アンケート結果の公開や発信も組み合わせることで、施設の認知向上や利用者理解の深化にもつながることが考えられます。
まとめ
商業施設や飲食エリアの運営では、利用者数だけでなく、「いつ、どのような目的で使われているか」を把握することが重要です。今回のように、アンケートと利用実績を組み合わせて整理することで、昼と夜それぞれの役割や改善ポイントが見えやすくなります。
こうした取り組みは、現場の感覚を補いながら、より実態に即した運営改善や販促施策につなげていくうえで、有効なデータ活用の一例といえます。
専門員による伴走支援を、最長2年間・無償で受けることができます。
データ活用に関するお悩みをお持ちの事業者の皆さま、ぜひこの機会にご活用ください。
【お問い合わせ先】
一般財団法人沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)
メール:opendata_event@isc-okinawa.org
担当:金城、又吉
