人流データを活用し、販促施策の効果検証と集客改善へ (観光施設・レジャー業の例)

県内企業におけるデータ活用の取り組み例
県内のある観光施設・レジャー事業者では、来場者がどのようなきっかけで施設を訪れているのかを把握し、広告や販促施策ごとの効果をより客観的に確認したいという課題を抱えていました。あわせて、現在実施しているアンケートは回答件数が限られており、来訪経路や施策ごとの反応を継続的に蓄積・活用していく体制づくりも求められていました。
そこで今回の取り組みでは、人流データを活用して過去に実施した広告・販促施策の効果を振り返るとともに、今後の集客改善に向けたデータ活用の方向性を整理しました。
取り組みの概要
本取り組みでは、一定期間に実施された複数の広告・販促施策について、施設周辺で取得した人流データをもとに、日別の来訪者数の変化を確認しました。施策期間中の数値だけを見るのではなく、施策前後の通常期と比較することで、それぞれの施策が集客にどのような影響を与えたのかを整理しました。
また、来訪者の性別や年代の傾向もあわせて確認することで、どのような層の来訪が多いのかを把握し、今後の訴求先や媒体選定の参考となる基礎情報を整理しました。さらに、来訪経路を継続的に把握していくための運用面についても助言を行い、今後の改善につながる視点を取りまとめました。
データ活用によって見えてきたこと
分析の結果、繁忙期に実施した販促施策では、通常期と比べて来訪者数の増加が見られ、時期や訴求内容によっては一定の集客効果が期待できることが確認されました。一方で、閑散期に実施した割引中心の施策では、来訪者数の押し上げ効果が限定的である可能性も見られました。こうしたことから、時期によって有効な施策の打ち方が異なることが示唆されました。
また、来訪者属性を見ると、性別構成には大きな偏りはなく、年代では若年層を中心に幅広い層の来訪が確認されました。これにより、特定の層に限定した訴求だけでなく、施設の特性に応じて複数のターゲットを意識した情報発信や媒体活用が有効であると考えられます。
今回の分析を通じて、これまで感覚的に捉えられていた施策の効果を、データに基づいて振り返ることが可能となりました。どの時期に、どのような施策が反応を得やすいのかを可視化できたことは、今後の集客戦略を検討するうえで有効な材料となります。


図:分析画面イメージ
今後に向けて
今後、より精度の高い効果検証を行うためには、来場者がどの媒体を見て来訪したのか、どの施策が来場のきっかけになったのかを継続的に把握できる仕組みづくりが重要です。たとえば、媒体ごとの導線を整理した案内方法や、回答しやすいアンケート設計などを通じて、来訪経路データを蓄積しやすい運用へとつなげていくことが期待されます。
また、人流データを活用した検証を継続することで、施策ごとの傾向や季節による違いを比較しやすくなります。こうした積み重ねにより、広告出稿や販促施策の優先順位づけ、ターゲット設定の見直しなど、より実態に即した集客改善につなげていくことが可能になります。
まとめ
観光施設やレジャー関連事業においては、どの施策がどの程度集客につながったのかを把握することが、次の打ち手を考えるうえで重要です。今回のように、人流データを活用して施策前後の変化を比較することで、経験や感覚だけでは見えにくかった傾向を客観的に捉えやすくなります。
さらに、来訪者属性や来訪経路の把握を組み合わせることで、今後の媒体活用や訴求方法の改善にもつなげることができます。こうした取り組みは、観光関連事業における継続的な集客改善を支える、実践的なデータ活用の一例といえます。
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一般財団法人沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)
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