「営業だけの数字を、全員の共通言語に」データ共有の第一歩(卸売)

お話を聞いた方:株式会社三ツ星商会 代表取締役 永山 盛太さん
データを活用しようと思ったキッカケは?
大きなきっかけは、「売上や状況の説明に時間がかかってしまう」ことでした。週1回の会議で数字の話に30分ほど要することもあり、関係者が増えるほど説明コストも膨らみます。
さらに、データを管理する現行システムは自社向けにカスタマイズしており使い勝手は良いものの、運用がブラックボックス化しつつあることも懸念点でした。
「既にあるデータをもっと使いやすくして、判断と共有を速くしたい」――その思いが、データ活用のスタートになりました。
データから明らかにしたかったことは?
まずは、“売り(売上)の予測”をどう行うか。過去データをもとに、少なくとも誤差±10%程度の上下感を掴める状態を目指したい、という考えがありました。売上だけでなく、イベントなど外部要因も含めて見たいという意向です。加えて、次のようなことも明らかにしたいと考えています。
・前年との差異(前年差)をすぐ出せるようにする(全体も、詳細も)
・勘や経験に頼りがちな発注判断を、データで補強する
・これまで“少しかじった程度”だったABC分析などを、きちんと実務で使える形にする
使ったデータはどのようなものですか
中心となるのは、売上伝票をデータ化したものです。1年分だけでも10,000行以上あり、システムからCSVでエクスポートできる形になっています。このデータを、必要な切り口で「出し入れ」できるようにして、全体像と明細の両方をスムーズに確認できる状態を目指しています。

画像:エクスポートデータのイメージ(ダミーデータ)
まずは「使い慣れたExcelでできるところから」という方針で、データ利活用実証支援の中でExcelダッシュボードを整備して頂きました。データ活用ツールは“高機能であること”以上に、現場で回ること(更新・共有・理解のしやすさ)が要だと捉えています。

画像:ダッシュボード作成の流れ

画像:Excelダッシュボード(一部データをマスキング加工)
その上で、次のステップとしてBIツールも視野に入れています。関心があるのは、単に見栄えの良いグラフではなく、
・前年比・前年差がすぐ見える
・全体→詳細へ迷わず掘れる
営業以外のメンバーも“同じ数字”を見られるといった、会議・意思決定のムダを減らす仕組みです。
一方で、BIツールなど分析ツールでの自動連携はシステム側の条件にも左右されるため、「どこまで自動化できるか「運用負荷が増えないか」を現実的に見極めながら進める姿勢です。
今後どのようにデータ活用を推進されますか
今後は、いきなり大改修に踏み切るのではなく、“小さく整えて、確実に回す”方向で進めていく考えです。
・現行システムで難しい自動連携は無理に追わず、まずはExcelダッシュボード等で「見る・比べる・共有する」習慣を作る。
・会議での説明時間を圧縮し、数字の確認を各自が事前にできる状態にする
・可視化によって、業務や施策の優先順位付けにつなげる
・発注や販売の勘所を、データで検証し、再現性を高める
「データの更新が自動に近づけば理想。でも、まずは意思決定が速くなる形を作る」――
