販売データと来場者属性を可視化し、販促の精度向上へ(製造業の例)

更新日:2025.03.31

 

               

県内企業におけるデータ活用の取り組み例

県内のある製造・販売関連企業では、自社商品の販促機会を広げるため、県内イベントへの出店を行っています。こうした催事販売は、商品を直接手に取ってもらえる貴重な機会である一方、これまでは「どのような来場者に、どの商品が、どの程度支持されたのか」を十分に把握しきれていないという課題がありました。

そこで今回の取り組みでは、イベント出店時の販売実績に加え、来場者の属性情報や人流データを組み合わせて分析し、今後のマーケティングや出店戦略に活かせる基礎データの整理を進めました。

取り組みの概要

今回の取り組みでは、イベント会場での販売実績を整理するとともに、購入者の年代・性別などの傾向や、会場来場者全体の属性との違いを比較できるようにしました。

単に「何が売れたか」を確認するだけでなく、

・どの層が商品を購入していたのか
・来場者全体の構成と比べて、どの層の購入率が高かったのか
・今後、どの層に向けて訴求を強めるべきか

といった視点でデータを見える化し、今後の販促施策や商品構成の検討につなげることを目指しました。

活用データは、イベント当日の販売データ、会場で取得した来場者属性データ、そして会場全体の傾向を把握するための人流データです。

これらを組み合わせることで、販売結果だけでは見えにくい「来場者全体のなかで、どの層に商品が響いていたのか」を確認できるようになりました。さらに、イベント時の気候や会場特性もあわせて振り返ることで、商品構成や訴求方法を見直すヒントも得られる形となりました。

[人流データとは]

人流データは、スマートフォンのGPS位置情報をもとに、人の移動傾向や滞在エリアを統計的に把握したデータです。今回の取り組みでは、株式会社Agoopが提供する「マチレポ」を活用し、イベント会場周辺にどのような人が来訪していたのか、どの地域から訪れていたのか、年代や性別にどのような傾向があるのかを分析

[オープンデータ]
沖縄県気象データ
https://data.bodik.jp/dataset/okinawa-dpf_kishou

データ活用によって見えてきたこと

今回の取り組みでは、イベント出店時の販売データと来場者属性データ、人流データを組み合わせて分析することで、「どの商品が、どの層に、どのような条件で支持されたのか」を具体的に把握できるようになりました。
実際に、当日は6種類の商品で231点を販売し、主力商品は構成比3割超を占めるなど、商品ごとの動きが明確になりました。さらに、当日の気候条件と売れ行きを照らし合わせることで、季節や気温に応じた商品構成の最適化という新たな視点も得られました。

また、来場者全体の傾向と購入者属性を比較した結果、30~40代を中心とした層、とくに女性層に高い反応が見られ、今後重点的に訴求すべきターゲット像がより具体的になりました。一方で、来場していても購入につながりにくい層も見えてきたことから、体験型の訴求やセット商品の工夫など、販促手法の改善余地も明らかになりました。

今回得られたファクトを踏まえることで、今後のイベントでは、経験や勘だけに頼るのではなく、データに基づいた販促・商品戦略をより実践的に進めていける見込みです。

図:売上ダッシュボードのイメージ
※機密情報保護のため、実際の画面をもとに構成や表現を調整したイメージ画像を使用

今後に向けて

一方で、イベント中の属性データ収集には課題も残りました。アンケート回収数が限られていたため、来場者の詳細な嗜好や行動パターンまで深く把握するには十分ではありませんでした。今後は、QRコードを活用した入力方法や簡易アンケートアプリなども含め、より効率的にデータを取得できる仕組みを検討することで、イベントごとに実証的な販促・商品戦略を重ねていけることが期待されます。

まとめ

イベント出店時に得られる販売データや来場者情報は、整理・可視化することで、次の打ち手を考えるための重要な材料になります。
今回のように、販売実績と人流・属性データを組み合わせて見ることで、どの層に強みがあるのか、どの層への訴求に改善余地があるのかを把握しやすくなります。

こうした取り組みは、イベント販促を「経験」だけで終わらせず、次回に活かせる知見へつなげるうえで、有効なデータ活用の一例といえます。

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【お問い合わせ先】

一般財団法人沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)
メール:opendata_event@isc-okinawa.org
担当:金城、又吉

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