購買データの見える化で提案の精度向上へ(小売業の例)

更新日:2025.03.31

 

               

県内企業におけるデータ活用の取り組み例

県内のある小売・流通関連企業では、日々の販売活動を通じて購買データや顧客データを蓄積していたものの、十分に活用しきれていないという課題を抱えていました。
データは存在していても、分析できる人が限られていたり、担当者ごとに活用の濃淡があったりすることで、現場での提案や販促施策に十分つなげられていない状態が続いていました。
その結果、お客様のニーズを深く捉えた提案や、適切なタイミングでの商品案内が難しく、販売機会の取りこぼしにつながる場面も見られていました。
こうした状況を受けて、まずは社内に蓄積された顧客関連データを見える化し、どのような傾向があるのかを把握できる環境づくりに取り組みました。

取り組みの概要

今回の取り組みでは、蓄積されていた顧客データや売上データをもとに、以下のような切り口で可視化・分析を行いました。

・顧客ごとの売上状況
・顧客属性や利用傾向の違い
・担当者別の実績傾向
・季節商材や特定施策に関連する売上動向

これにより、これまで感覚的に捉えられていた顧客傾向を、データに基づいて確認できるようになり、未提案の商品や新たなアプローチの可能性を探しやすくなりました。
また、分析にあたっては、社内データだけでなく、社会状況の変化を把握するためのオープンデータなどの外部データも参考情報として活用しました。とくに、コロナ禍の前後で消費行動や来店傾向がどのように変化したかを捉えるため、沖縄オープンデータプラットフォームで公開されている「沖縄県新型コロナウイルス陽性者数オープンデータ」および関連ダッシュボードを参照し、時期ごとの環境変化を踏まえて売上や顧客動向を読み解く視点を加えました。

[ダッシュボード]
沖縄県新型コロナウイルス陽性者数オープンデータ

データ活用によって見えてきたこと

可視化を進めた結果、これまで十分にアプローチできていなかった顧客層や、特定の販促テーマに対して提案余地のある対象が見えてきました。
実際に、作成したダッシュボードを参考にお歳暮売上へ着目し、これまで購入実績のなかった顧客約1,000件を抽出して試験的にDMを送付したところ、約160件の新規受注を獲得しました。反応率は約2割となり、売上面でも前年比約10%の向上につながるなど、データを根拠とした対象選定の有効性が確認されました。

図:コロナ禍前後の変化を把握するための可視化イメージ
※機密情報保護のため、実際の画面をもとに構成や表現を調整したイメージ画像を使用

 

今後に向けて

今回の取り組みは、データを高度に分析することそのものが目的ではなく、現場で使える形に整え、次のアクションにつなげることの重要性を示す事例となりました。今後は、こうした可視化の仕組みを継続的に活用しながら、より多くの施策立案や顧客提案に役立てていくことが期待されます。
また、属人的になりがちな営業や販促のノウハウを、データを通じて共有しやすくしていくことで、組織全体の提案力向上にもつながっていくことが考えられます。

まとめ

社内に蓄積されたデータは、整理して見える化することで、現場の意思決定や提案活動を支える大きな材料になります。今回のように、既に保有しているデータに加え、社会状況を示すオープンデータも組み合わせて読み解くことで、より納得感のある分析や施策検討につなげることができます。
「見える化」から始めるデータ活用は、多くの企業・団体にとって取り組みやすい第一歩のひとつです。

 

 

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【お問い合わせ先】

一般財団法人沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)
メール:opendata_event@isc-okinawa.org
担当:金城、又吉

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