「データを活用した居宅介護支援事業のカタチ。— 新設事業者の挑戦!」 【介護:居宅介護支援センター トシマスター】

更新日:2025.03.31

お話を聞いた方:居宅介護支援センター トシマスター 代表社員 豊島 悠志さん

                 

データを活用しようと思ったキッカケは?

当「居宅介護支援センター トシマスター」は令和5年に浦添市伊祖に設立し、令和6年4月からの本格稼働に向けて準備を進めていました。事業計画では、スタート時点の利用者数を15名に設定して募集活動をしてきましたが、3月の時点で10名と伸び悩み、それを知人に相談したところ、「人口とか、何かデータとか見てるの?」と指摘を受けました。その流れでISCOさんを紹介され、「まずは可視化してみましょう!」とのご提案をいただいたことが、データを活用するキッカケとなりました。

使ったデータを活用して明らかにしたかったことは?

まずは当事業所のある伊祖がデータ的にどのような地域なのかを明らかにしたいと考えました。伊祖に拠点を構えたのも、土地勘があり利用対象となる方も多いのではないかという「経験や感覚」を頼りに選定した経緯があります。だからこそ、今回は客観的なデータを用いて、その実態を正確に把握したいと考えました。

使ったデータはどのようなものですか

まずは浦添市の人口統計データ(字別/年代別/性別)を活用しました。その他、沖縄オープンデータプラットフォームで公開されているオープンデータ「浦添市医療機関一覧」と、ネット上に公開されている介護施設の情報をデータ化して活用しました。

データを活用して分かったことは?

「伊祖」の実態をデータ的に改めて理解することができました。まず人口統計データをダッシュボード化してみると、利用対象となる65歳以上の人口ランキングで「伊祖」は上位10位内にも入っておらず、また一番多いエリアは「伊祖」の約2倍の人口であることが判明しました。また「伊祖」の対象人口は、4年前から横ばいで推移していることもわかり、

 

画像:Power BIで作成したダッシュボード 字別年代別人口推移

 

反面、どの地域に利用者が多く、どこが増加傾向にあるのかも確認することができました。

 

画像:Power BIで作成したダッシュボード 利用対象人口の分布

 

利用対象人口の分布をみると、浦添の南部エリアの「経塚」や「前田」地域の人口は多く、一方で中央付近の「安波茶」や「仲間」地域は比較的少ないエリアであることがわかりました。当事業所のある「伊祖」は中央より北側に位置し、「伊祖三丁目」「伊祖五丁目」は赤く表示され、比較的人口が少ないエリアとして認識できました。一方で利用対象人口の増減傾向(表:下段)については、南部エリアの「経塚」及び東側「西原」、あと北部エリアでは、「城間」「牧港」エリアが特に増加傾向にあることがわかりました。

これらの結果を踏まえ、早速募集活動のエリアを拡げました。本来であれば、人口が多く、増加傾向にある地域を選定したいところですが、居宅事業として、事業所から距離があるとサービスの低下を招く恐れもあります。そのため、事業所との距離を考慮して、まずは「城間(東部)」「牧港」「港川」へ範囲を拡げました。募集活動にあたっては、浦添市役所HPの「自治会だより」などを事前情報として収集し、実際に訪問しながら当事業所の告知と小さな相談への対応からはじめました。相談においては相談内容の大小に関係なく、きめ細かく対応することでコミュニケーションの強化と、信頼関係構築に努めました。その際、あらかじめ病院や介護施設の位置もダッシュボードで統合し可視化していたことで、相談者の通院先や通所先の位置及び移動時間などが把握でき、相談後のサービス提案の検討材料として役立てることができました。

 

画像:Power BIで作成したダッシュボード

 

その結果、6月には目標としていた利用者数15名を達成することができました。新規5名については全て伊祖以外、今回アプローチをかけた地域からの利用者となりました。その後も順調に登録者数は増え、12月時点では31名まで増やすことができました。現在はスタッフも増員して対応しております。

今後どのようにデータ活用を推進されますか?

今後は、浦添市の南エリア、特に「経塚」のように利用者人口の多いエリアへ、新たに拠点を設定して、サービスエリアの拡大を検討していきたいと考えています。

 

写真:居宅介護支援センター トシマスター 代表社員 豊島 悠志さん
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