人流データで“見えないリスク”を可視化し、 警備計画を再設計【警備業:琉球警備保障株式会社】

更新日:2025.03.31

お話を聞いた方:琉球警備保障株式会社 営業部次長 崎原 優一さん

                 

データを活用しようと思ったキッカケは?

警備業界全体で高齢化と人手不足が進むなか、近年は大型商業施設の開業やイベントの再拡大で「現場に出せる人数」より「現場が求める人数」が上回るケースが増えていました。
これまでは過去実績と主催者の来場見込みに頼って配置計画を作っていましたが、所轄署からの増員要請が後出しになるたびにコストが膨らみ、利益を圧迫。
「経験と勘」ではなく データで裏付けた配置計画 を立てる必要性を強く感じたことが、データ活用に踏み切った最大の理由です。

データから明らかにしたかったことは?

1.来場者がいつ・どこから・どれくらい流入するのか

2.ピーク時の混雑エリアで 警備員が十分にカバーできているか

3.警備員の再配置によって 安全性とコストを同時に最適化できるか

「てだこ祭り」のような地域型の大規模イベントは、来場者の大半が市外から流入します。
まずは”外部から何人来るのか”を客観的に把握し、既存の配置図が妥当だったのかを検証したかったのです。

使ったデータはどのようなものですか

人流データを軸に2023年開催時の約3,500件の位置情報をサンプルとして取得し、年代別・時間帯別に来場ピークを把握しました。

データ種別 内容
ビッグデータ スマホGPS由来の人流データ(時間別・属性別)
自社データ 過去の警備計画書・配置図、警備員シフト表、通報・トラブル発生ログ
オープンデータ 会場周辺人口(0.5km/1km/3km圏)

 

画像:人流データ

 

画像:オープンデータ

どのようにデータを活用しましたか

1. 人流の可視化

  •  BIツール上に会場マップをレイヤー化し、エリアごとの来場密度をヒートマップ表示
  •  ピーク時間帯(18:00–21:00)には通常の4.6倍に人流が跳ね上がる西ゲート周辺を特定。

2.警備員の再配置シミュレーション

  •  現行体制をベースに、混雑ゾーンに+15%増員、人通りの少ない東側出入口を–25%削減する案を作成。
  •  総人員は据え置きで、重点配置によるリスク低減を狙いました。

3.効果検証

  •  来場者対応件数は前年比+12%、通報・立入制限ゼロを達成。
  •  警備員からは「人の流れに合わせた配置で負担が分散した」と現場評価を獲得。

今後どのようにデータ活用を推進されますか

リアルタイム人流モニタリング

5G回線とAIカメラを活用し、当日の来場者数を分単位で捕捉。警備本部が即時に増員・誘導指示を出せる仕組みを検討しています。

コストシミュレーターの内製化

人員配置と警備コストを自動計算し、見積提出のスピードと精度を高める予定です。

他イベントへの横展開

県内マラソン大会やスポーツイベントへも導入し、“警備×データ”の標準モデルを確立したいと考えています。

 

経験が頼りだった警備計画が、データで“語れる”業務に変わりつつあります。

今後はリアルタイムデータも取り込み、“安全・安心を科学する警備会社”として価値を高めたいですね。

TOPへ戻る