「営業担当の“会食場所探し”の時間が3分の1に短縮!?」 小さな一歩から始めたデータ活用が業務効率化のカギに【放送:沖縄テレビ株式会社】

お話を聞いた方:沖縄テレビ放送株式会社
技術管理局放送運行部 兼 営業局メディア企画部 上原 幸也さん
データを活用しようと思ったキッカケは?
最初は、「データを活用して売上を伸ばしたい」「コスト削減につなげたい」といった、経営視点での目的がありました。ただ、そのテーマがあまりに抽象的で、どこから手をつけていいのかわからなかったのが正直なところです。そこで、「まずは小さく始める」という方針を立てて、社内にどんなデータがあるのかを一つひとつ洗い出すところから始めました。
データから明らかにしたかったことは?

写真:業務の合間やお昼休みに会食場所をさがしていた
データ活用を検討する中で、「営業担当が会食場所を探すのにかなり時間がかかっている」という話が社内で話題になりました。
県外のスポンサーや他局との会食など、急に予定が入ることも多く、そのたびにネット検索や電話、あるいは上司や同僚に候補となる場所の確認をしているような状況でしたが、営業担当はお昼休みや業務の合間に探すことも多く、この作業に1時間程度かかっていました。これをもう少し効率化できないかという仮説のもと、「過去に使った会食場所の情報」が参考になるのではと考えたのです。
使ったデータはどのようなものですか
意外だったのは、経理部門が管理している「交際費の領収書」でした。領収書には店名や利用日時、金額、参加人数など、実は貴重な情報が含まれていることに気づいたのです。

写真:領収書イメージ
これは、過去の「会食履歴」として活用できると考え、データ化を進めることにしました。あとは県外の方と会食する際は沖縄料理といった県産品が楽しめるお店も意識していたため、沖縄県がオープンデータとして公開する「おきなわ食材の店」のデータも参考にしました。

画像:BIツール(Power BI)を使い、ISCOにて可視化
どのようにデータを活用しましたか

画像:会食場所を検索できるWebアプリを開発
領収書を一枚ずつ確認し、店名・エリア・ジャンル・金額帯(一人当たりの単価含む)・利用人数・適格請求書発行事業者の有無・利用した部署などの項目でデータベース化しました。
そのうえで、社内で誰でも使えるよう、簡単なWebアプリのプロトタイプを内製で開発。検索機能を搭載し、希望する条件に合わせて過去の会食場所をリストアップできるようにしました。
例えば、形態で「居酒屋」、ジャンルを「沖縄料理」で設定すると、これらの条件を満たした過去の利用履歴が一覧で表示されます。表示された項目をタップすることで、単価などの詳しい情報を参照することができます。
試験的に営業部門の一部でモニターとして使ってもらったところ、「直近の会食場所のリサーチが悩みの種でしたが、これまで1時間程度かかっていたものが、10~20分程度で済みました。実際に使用した店舗履歴が出て安心して選びやすいし、2次会の候補探しにも使いやすいです。」と好評を得ました。
現在は試験的な利用ですが、仮に100件で活用した場合、年間で約65時間におよぶ業務削減が期待できます。
今後どのようにデータ活用を推進されますか
今回のように、「身近な課題に対して、小さく始める」ことで、社内にも前向きな空気が生まれました。今後は、応用できそうな活用例を探りつつ、データ活用の文化を少しずつ広げていきたいと思っています。
たとえば、営業同士の口コミや、番組に寄せられるコメントなど、これまで感覚に頼っていた情報も、整理して見える形にすることで、より良い判断や提案がしやすくなるのではと期待しています。
さらに将来的には、「RAG(検索拡張生成)」と呼ばれる、AIが社内の情報をもとに自然な回答をしてくれる仕組みも活用できればと考えています。たとえば、「接待で静かな和食のお店を知りたい」と入力すれば、過去の会食データや社員の口コミをもとに、AIがすぐに候補を出してくれるような仕組みです。
こうした技術も、最初から難しいことをしようとせず、身近な課題に合った形で取り入れることで、自然に社内の業務に溶け込んでいくのではと感じています。
