人口統計データを活用して、チラシ配布を効率化【小売】リカーショップ新城
ローカル向け、地域限定のサービスを提供する事業者にとって、一番の集客方法は今も昔も住宅へのチラシポスティングと言われています。
LINEを用いたクイックコマース
LINEを用いたクイックコマース(※1)を全国に先駆けてリリースしたリカーショップ新城も、那覇市内限定のサービスのため、自社のサービスを広く告知する手段としてチラシをポストに投函する、いわゆる「ポスティング」でサービスのプロモーションを行いました。
※1 クイックコマース:即時配達サービス(即配サービス)とも呼ばれる、オンラインでの注文から数十分以内に日用品などを届けてくれるサービスのこと。出前館やUber Eatsなどのフードデリバリーも飲食に特化したクイックコマースの一つ。
リカーショップ新城では、自社のサービスを利用してくれるであろうユーザー層のペルソナ(※2)を「50代以上の中高年層」「35歳以上の小さな子供のいるファミリー層」に設定。
そのユーザー層が多く居住する地域に効率よくチラシのポスティングを行うこととしました。
(売上データの分析により上記二つのペルソナをターゲットに設定しました)
※2 ペルソナ:マーケティングにおいて、製品やサービスを利用する典型的なユーザーを表すために作成された仮想的な人物像のこと。
画像:ネット上で入手可能な、様々な調査データも活用
ターゲットペルソナとして設定したユーザー層が多く居住する地域に、効率よくチラシのポスティングを行うためには地域別の人口統計データが必要です。
中高年層であれば年齢別の統計データ、ファミリー層であれば世帯の家族類型(世帯構成)別に集計されたデータがあれば、それらのユーザーが地域内に占める割合の高い地域にポスティングを行うことで、ターゲットへの到達率は高くなります。
統計データと言えばe-Stat
年齢別、家族類型別の統計データは国勢調査のデータなどが利用でき、オープンなデータとして e-Stat ( https://www.e-stat.go.jp/ ) で公開されています。
e-Statは、日本国内の様々な統計データが閲覧できる政府の統計ポータルサイトで、実に様々なデータが公開されています。
データの活用で真っ先にこのサイトを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
今回利用したデータは
国勢調査 令和2年国勢調査 小地域集計 (主な内容:基本単位区別,町丁・字別人口など) 47:沖縄県
の中からファミリー層の抽出に
世帯の家族類型別一般世帯人員-町丁・字等を、
中高年層の抽出には
男女,年齢(5歳階級)別人口,平均年齢及び総年齢-町丁・字等
となります。
実際にデータをダウンロードして中を見てみると、丁目や字ごとに地域が分けられた人口分布のデータとなっていることがわかります。
下の画像のように地域全体に占めるターゲットペルソナの割合などの列を自分で作成して(数式はターゲット層を地域の総数で割った単純なものです)、ポスティングを行う際に最も効果的な地域はどこなのかについてデータを抽出していきます。
画像:データ形式はCSVなど。エクセル等の表計算ソフトで読み込んで加工することも可能。
実施結果
ポスティングを行った結果、35歳以上のチラシによる友だち追加数が400人だったのに対し、同じ期間のチラシによる友だち追加数が118人と、若年層より中高年層の方がLINE公式アカウント友だち追加につながりました。
もともと、中高年層をターゲットペルソナとしているため、データ分析によるチラシのポスティングエリア決定は、おおむね良好な結果を得られたということになります。
画像:LINEの公式アカウントマネージャーは、無料でこうした施策の分析を行うことができる。
無料で手に入るデータでも、目的に合わせて加工等を行うことで効率化につながるなどの効果を実感できます。
せひ、オープンデータを活用してみてください。
無料で手に入るデータでも、使い方によっては効果が出ます。
我々のような中小企業こそ、データ上手に業務に活用する必要があると考えています。